「シンボルマーク」のドタバタ劇
世界的なイベントやタオ会を盛り上げようとして決めたシンボルマークが、「国際的に問題あり」と判明して、慌てて取り消して変更・・・。
そんなドタバタ劇が、そういえば話題になったなと、某エンブレム騒動を思い出す人も多いのではないでしょうか?
この手の騒動は過去にもありました。
郵便記号の「〒」マークです。
郵便記号の「〒」って何を意味しているの?
郵便局や郵便ポストのシンボルで、封書、はがきなどに郵便番号を書くときにも使われる「〒」。
見慣れた記号ですが、いったい何を表しているのか知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?
カタカナの「テ」のようにも見えるし、漢字の「手」に似ていなくもないし・・・。
最初は「T」だった?
じつは、この郵便記号、初めはアルファベットの「T」だったのです。
いまからおよそ130年前の1887年(明治20年)当時、郵便事業を取り仕切っていたのは「逓信省」という省庁でした。
「逓信省」が郵便マークを「T」とすると決めて発表したのが、1887年(明治20年)2月8日のことでした。
「逓信省」としては、「Teishin(逓信)」の頭文字である「T」を図案化したのですが、国際郵便では「T」は郵便料金不足を示す万国共通の記号であることが判明してしまいました。
そして、「T」から「〒」に変更?
そこで慌てて、6日後の2月14日に「〒」に変更し、さらに2月19日付の官報で「Tは〒の誤りだった」という訂正文も発表しています。
2月8日に発表され、14日に変更され、19日に官報に訂正文が掲載された経緯の中で、「郵便マークの日」とされているのはなんと2月8日なのです。
以降、「〒」が郵便記号となったわけですが、この記号を郵便マークと呼ぶ人もいるでしょう。
日本工業規格では、「〒」を郵便記号、郵便配達員の顔を図案化した「〠」を郵便マークとしています。
なお、「〒」は、当初予定されていた「T」の上に線が一本足されていますが、そのアイデアは初代逓信大臣であった榎本武揚が提案したとされています。
ただし、これには諸説あり、逓信省をカタカナ表記にしたときの頭文字「テ」をシンボル化して使用したという説もあります。
当初の案の「T」についても、先に説明したとおり、逓信省をローマ字表記した場合の頭文字という説と、漢字の「丁(てい)」をもとにしているなど、諸説入り乱れているようです。