大学の先生の呼び方が変わった?
最近よく聞くようになった「准教授」という呼び方ですが、以前よく聞いていた「助教授」となにが違うのでしょうか?
「准教授」と「助教授」の違いは?
実は、2007年の学校教育法改正によって「助教授」の職階は廃止され、新たに「准教授」という職階が誕生したのです。
もちろん、単に呼び方が変わっただけではなく、仕事の内容もより実態に合わせたものへと変貌を遂げています。
かつての「助教授」の主な仕事は、「「教授」の職務を助けること」とされていましたが、実際には「教授」から独立して学生の指導や自らの研究をしている「助教授」も多かったのです。
そこで、新たに生まれた「准教授」という職階は、「「教授」に準ずる資質や能力を持つ立場」というように、仕事の内容や位置づけも見直されたのです。
実際には、従来の「助教授」の大半が「准教授」に移っています。
なお、具体的には、新たに次のように法令等に定義されました。
教育基本法:
- 「准教授」は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
大学設置基準:「准教授の資格」として、
- 「准教授」となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
- 前条各号(第14条:教授となることのできる者)のいずれかに該当する者
- 大学において「助教」又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む)のある者
- 修士の学位又は学位規則第5条の2に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
- 研究所、試験所、調査所等に在職し、研究上の業績を有する者
- 専攻分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者
これとともに変更となった職階は?
2007年の学校教育法改正によって、「助教授」の職階は廃止され、新たに「准教授」という職階が誕生しましたが、これと同時に新たに設けられたのが「助教」という職階です。
従来あった「助教授」や「助手」と呼び方が紛らわしくて混乱しますね。
「助教授」の職階は廃止になりましたので別にして、従来の「助手」は「「教授」および「助教授」の職務を助けること」とされていましたが、実際には「教授」などの研究を手伝いながら、合間に自分の研究に取り組む「助手」も多かったのです。
これでは若手研究者の育成の妨げになるということで、「助教」という職階を新たに設け「助手」の仕事とははっきり分けたのです。
「助教」は自ら研究して教壇にも立ち、「助手」は授業や研究の準備などの補助作業が中心になるというように、仕事の内容や位置づけも見直されたわけです。
したがって、従来の「助手」は、仕事の内容によって「助教」と「助手」に分かれました。
なお、具体的には、「助教」について新たに次のように法令等に定義されました。
教育基本法:
- 「助教」は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する
大学設置基準:「助教の資格」として、
- 「助教」となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
- 第14条〔教授の資格〕各号又は第15条〔准教授の資格〕各号のいずれかに該当する者
- 修士の学位(医学を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの又は獣医学を履修する課程を修了した者については、学士の学位)又は学位規則第5条の2に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
- 専攻分野について、知識及び経験を有すると認められる者
なお、従来からある「教授」、「講師」については変更されていません。
以上から、現在の大学における職階は、上から順に「教授」、「准教授」、「講師」、「助教」、「助手」となります。