看板に「牛乳缶」が描かれているのはなぜ?
コンビニエンストア大手の「ローソン」の看板をよく見ると、水色の背景に白抜きの「牛乳缶」のマークが目印になっています。
そして、上下には白色で「LAWSON」、「STATION」と書かれています。
コンビニだから当然ながら牛乳を売っていますが、なぜ看板に「牛乳缶」のマークが描かれているのでしょうか?
じつは、「ローソン」というのは、アメリカのオハイオ州で牛乳屋さんをしていた人の名前です。
また、看板に描かれている「牛乳缶」はその名残なのです。
「ローソン」さん(Mr. J.J.Lawson)が1939年に始めた牛乳屋さんは、牛乳が新鮮でおいしいことで評判となって、業容を拡大、日用品を販売するチェーン店の展開を開始しました。
やがて「ローソンミルク社」という、コンビニ・チェーンに発展しました。
その会社の商標が、あの「牛乳缶」マークの看板なのです。
その後、「ローソンミルク社」は「コンソリデーテッド フーズ社」の傘下となっています。
日本への進出
日本への進出は、1974年(昭和49年)にスーパー大手の「ダイエー」が「コンソリデーテッド・フーズ社」と提携、翌年「ダイエーローソン(株)」が設立されたときに始まりました。
この年、大阪府豊中市に「ローソン」1号店「桜塚」店がオープンしましたが、店の看板としては由緒ある「牛乳缶」マークの「ローソンミルク社」の商標が採用されています。
なんとオリジナル商品第1号は「ローソン」の看板とぴったりの「ローソン無調整牛乳」だったそうです。
当時の「ローソン」は、ハムやソーセージといった加工肉だけで40品種を数える米国風高級デリカテッセンとして、客のオーダーに応じてその場で作るサンドイッチや輸入食料品が中心の展開でした。
その後、いわゆるコンビニ・チェーンとして業容、店舗数を拡大していったわけです。
「ローソン」はもともと「ダイエー」傘下でしたが、「ダイエー」が業績悪化に伴い保有する「ローソン」株の多数を商社の「三菱商事」に売却したため、現在では「三菱商事」傘下となっています。
このようにしてみると、店の看板ひとつにも歴史、由来があるものですね。