「格差」問題
日本は「格差社会」に入ったとよく耳にします。
同じサラリーマンでも企業によって給与に大きな「格差」があるのは、まぎれもない事実でしょう。
なかでも、「勝ち組」とされる一部の人たちは外車を乗り回し、高級マンションにも住んでいます。
一般の人とは収入に大きな隔たりがあるに違いありません。
また、最近では年々「正規雇用(いわゆる正社員雇用)」が減少し、その代わりに「正規雇用」に比べ給与が格段に低い「非正規雇用」が激増し、大きな問題となっているのはご承知の通りです。
こうした状況でも、格差社会の典型といわれるアメリカに比べれば、日本ははるかに平等社会であると考えてしまいがちですが、これも「ジニ係数」で見るとうなづける話ではありません。
「格差」を表す「ジニ係数」とは?
「ジニ係数」とは所得配分の不平等さを計る指数のことで、係数を0から1の間で示し、0に近いほど貧富の差が少ないといわれています。
OECDによる2015年(平成27年)のデータによれば、日本の「ジニ係数」は0.330です。
これを主要7か国(G7)で比べてみると、「ジニ係数」の低い順(= 貧富の差が少ない順)に以下の通りになります。
- ドイツ: 0.289
- フランス: 0.297
- カナダ: 0.313
- イタリア: 0.326
- 日本: 0.330
- イギリス: 0.360
- アメリカ: 0.390
日本は「格差」が少なく平等な国と一般的にはいわれています。
しかし、これらの数値を見ると、「格差」が大きいといわれるアメリカほどではありませんが、主要先進国の中ではかなり「格差」が大きいといえるでしょう。
先に述べた要因から考えると、日本の今後は「格差」がさらに拡大していくものと思われます。