「首相」vs「大統領」

日米首脳会議などで日本の「首相」とアメリカ合衆国の「大統領」がにこやかに握手などしている場面をよく見ます。

しかし、この二人、立場に違いはあるのでしょうか?

もちろん、それぞれの国の政治を代表する立場であり、どちらが偉いということはありません。

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「首相」と「大統領」の一般的な定義とは?

一般的に、「首相」の定義は「内閣または政府を構成する複数の閣僚の内主席のもの」で、かつ「その職責自体が国家元首(一国の首長)を兼ねない者」ということになります。

これに対して、「大統領」とは「共和国の元首、または行政府の長官」の呼称のひとつです。

アメリカ合衆国「大統領」の場合は、行政府の長であり、国家の代表でもあるのです。

これを踏まえて、日本の「首相」とアメリカ合衆国の「大統領」に限って比べてみましょう。

日本の「首相」とアメリカ合衆国の「大統領」の立場の違いとは?

それぞれの選出方法の違いとは?

まず、選出方法ですが、日本の「首相」は国会によって国会議員の中から選出されます。

実際には、政権政党の総裁がそのまま「首相」となることが当たり前になっています。

政権政党である自民党の総裁選が、実質的には「首相」選出の選挙になっているのはだれもが知っているでしょう。

一方、アメリカ合衆国の「大統領」は、出生によるアメリカ合衆国市民であり、合衆国内に14年以上居住したことのある35歳以上の男女であれば、だれにでも被選挙権があります。

それまで政治とは無縁であった実業家などが立候補するのを見ても、それがわかります。

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それぞれの役目、責任の違いとは?

日本の「首相」は内閣の首長として行政を指揮監督する役目を担っていますが、あくまでも行政権は内閣にあります。

これに対して、アメリカ「大統領」は、国家元首であると同時に、行政権を持っています。

また、日本の場合、内閣は国会に対して連帯して責任を負います。

一方、アメリカ「大統領」は議会とは独立した存在であり、直接国民に対して責任を負う立場にあります。


以上は日本の「首相」とアメリカ合衆国の「大統領」の立場の違いを説明したものであり、それぞれの国の政治形態により、「首相」「大統領」とが置かれている立場や権限は異なります。

ちなみに、「大統領」「首相」の両者が存在する国がありますが、国によって両者の権限の強弱に違いがあります。

  • 「大統領」の権限が「首相」よりも強い国: フランス、ロシア、韓国など
  • 「首相」の権限が「大統領」よりも強い国: ドイツ、イタリア、スペインなど
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