日本は小さな国?
日本はよく「極東の小さな島国」と表現されます。
世界地図で見てもたしかに小さい国ですね。
「国土面積」は37万8,000平方キロメートルで、下の表「世界の国土面積ランキング」に示すように、世界で62番目です。
世界の国土面積ランキング
「世界の国土面積ランキング」として、1位から10位までを示します。
日本は当然この中に入っていないので、下の方に日本を表示しています。
順位 | 国名 | 国土面積 (万km2) |
世界総面積に 対する割合(%) |
1 | ロシア | 1,710 | 11.5 % | 2 | カナダ | 998 | 6.7 % | 3 | 中国 | 957 | 6.5 % | 4 | アメリカ | 953 | 6.5 % | 5 | ブラジル | 851 | 5.7 % | 6 | オーストラリア | 769 | 5.2 % | 7 | インド | 329 | 2.3 % | 8 | アルゼンチン | 278 | 2.0 % | 9 | カザフスタン | 272 | 1.8 % | 10 | アルジェリア | 238 | 1.6 % | 62 | 日本 | 37.8 | 0.25 % |
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ちなみに、フランスは50位、ドイツは63位、イギリスは80位、韓国は109位です。
日本は世界で8番目に広い国?
日本は国土面積としては小さな国ですが、日本には小さい島が多いので、次のような思いがけない数字が出てきます。
日本の「排他的経済水域」は、447万9,000平方キロメートルにも及びます。
これは、国土面積のじつに約12倍であり、世界第8位の広さになるのです。
海の部分を考えると、日本はけっして小さな島国ではないのです。
ここで、「排他的経済水域」とは何かについて見てみましょう。
「排他的経済水域」とは?
「排他的経済水域(Exclusive Economic Zone; 略称EEZ)」とは、国連海洋法条約に基づいて設定される水域のことを指します。
具体的には、
- 沿岸国は自国の基線(沿岸)から200海里(370.4km)の範囲内に排他的経済水域を設定することができる
- 天然資源及び自然エネルギーに関する「主権的権利」、並びに人工島・施設の設置、環境保護・保全、海洋科学調査に関する「管轄権」がおよぶ
- 設定水域の海上、海中、海底及び海底下に存在する水産・鉱物資源並びに海水、海流、海風から得られる自然エネルギーに対して、探査、開発、保全及び管理を行う排他的な権利(他国から侵害されない独占的に行使できる権利)を有する
- 排他的経済水域に存在する鉱物資源は埋蔵している段階では沿岸国には所有権は存在せず、採掘して陸上・海上施設・船舶に引き上げられた段階でその権利が発生する。また水産物も水揚げされて初めて所有権が発生する。自然エネルギーに対しても、例えば電力に変換されてはじめて物権が発生する
- 批准沿岸国は天然資源及び自然エネルギーに対する行為に関してのみ法律を制定し罰則規定を設けることができる
- 主権には及ばないが排他性を有しているために、「主権的権利」と呼んで「主権」とは一線を画している
世界の「排他的経済水域」面積ランキング
世界の「排他的経済水域」面積ランキングとして、1位から10位までを示します。
「排他的経済水域」では、日本は世界第8位なのです。
順位 | 国名 | 排他的経済 水域面積 (万km2) |
国土面積 順位 |
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1 | アメリカ | 1,135 | 4 |
2 | フランス | 1,104 | 50 |
3 | オーストラリア | 850 | 6 |
4 | ロシア | 757 | 1 |
5 | イギリス | 681 | 80 |
6 | インドネシア | 616 | 15 |
7 | カナダ | 560 | 2 |
8 | 日本 | 448 | 62 |
9 | ニュージーランド | 408 | 75 |
10 | 中国 | 229 | 3 |
上の表でわかるように、国土面積では小さな国であっても、海に囲まれていれば「排他的経済水域」としては非常に大きくなるのですね。