「共和国」、「合衆国」の名を持つ国々
外務省のホームページによると、現在世界には196の国があります。
その中で、「共和国」の名を持つ国は126あります。
一方、「合衆国」の名を持つ国は2つです。
それでは、まず「共和国」や「合衆国」とはどんな国のことなのか、そして、次になぜ「合衆国」と呼ばれるのかについてみていきましょう
「共和国」とは?
「共和国」とは、「君主が存在しない国」のことで、英語では「リパブリック(Republic)」といいます。
古代ローマ人が王制を倒して、国民による政治を行っていた時期のラテン語の「Res Publica」に由来し、君主制以外の政体、すなわち「共和制」をとる国をさしています。
ニュースなどでよく聞く「共和国」には次のようなものがありますが、これらは「共和国」のほんの一例です。
もっとも、通常は「共和国」を省略して国名を呼んでいますので、「共和国」という名がついているとは思わない国が多くあります。
また、中には、「共和制」をとっているとはとても思えない国もあります。
アジア:
- 中華人民共和国(中国)
- 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
- フィリピン共和国
- ベトナム社会主義共和国
- シンガポール共和国
- インドネシア共和国
- パキスタン・イスラム共和国
- アフガニスタン・イスラム共和国
中東:
- イラク共和国
- イラン・イスラム共和国
- シリア・アラブ共和国
- エジプト・アラブ共和国
ヨーロッパ:
- ドイツ連邦共和国
- フランス共和国
- イタリア共和国
- ギリシャ共和国
- ポルトガル共和国
中・南米:
- キューバ共和国
- ブラジル連邦共和国
「合衆国」とは?
「合衆国」という名のつく国は、アメリカとメキシコの2つだけです。
いずれも、それぞれ自治を行っている政体をまとめて統括する連邦制をとっています。
つまり、「合衆国」とは「連邦制をとる共和国」ということになります。
「州の集合体」なのに、どうしてアメリカ合「衆」国と呼ぶのか?
「アメリカ合衆国」の正式名称は「The United States of America」ですので、「州の集合体」ということです。
「州の集合体」なのに、なぜ「合州国」ではなく、「合衆国」とされているのでしょうか?
じつは、最初に中国で訳されたときに、「衆人の力を合わせて作られた国」という意味で「合衆国」と訳されたのがその理由です。
その後日本は、その中国訳である「合衆国」という漢字を、そのまま取り入れて使ってきたということなのです。