ニュースなどでよく耳にする「族議員」という言葉がありますが、これが何を指すのかきちんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。
「族議員」とはどんな議員?
「族議員」とは与党国会議員の中で特定の政策分野に強い影響力を持つ議員、あるいはその集団、を示します。
たとえば、その分野を所管する省庁の大臣や政務次官、キャリア官僚を経験した議員であれば、その分野に関する知識や経験があり発言力が大きくなります。
そのために政策立案の際、決定権を持つことも多いものです。
特に業界と官公庁との両方のパイプがあれば、その存在は絶対的なものになります。
わざわざ「族議員」と対立するような政策を押し通すのは困難になり、必然的に「族議員」の進める方針が最終的には通ってしまうこともよくあります。
そんなところから、特定官庁や業界の権益優先の姿勢が生まれ、「癒着体質」とみなされて批判を受けることも多いのです。
しかし、「族議員」の存在抜きにしては政策を語ることは難しいという現実もあるのです。
ちなみに、「族議員」としては、「郵政族」、「建設族」、「道路族」、「農林族」、「大蔵族」、「文教族」などがあります。
もちろん、多くの問題を抱えながらも、特定の分野に関してはエキスパートであり、人脈も豊かなことには間違いがありません。
最終的には「族議員」が下す結論や判断が、結局は最良の結果を生み出すこともあります。
したがい、「族議員」の存在を否定することはできません。
しかし、政治はあくまでも公平なものでなければなりません。
そういう意味で、「族議員」は今後も多くの問題をはらんでいくのは間違いないでしょう。