目次
日本の食器といえば?
日本で食卓に登場する食器といえば、まず思い浮かぶのが陶磁器の食器と木でできたお椀や箸でしょう。
もちろん洋食用のナイフ、フォーク、スプーンは金属製ですが。
韓国の食器といえば?
一方、お隣の国である韓国では、冷麺やクッパ、サムゲタンなどを入れるどんぶりから、漬物やナムルを入れる皿、スプーン、さらには箸に至るまで、金属製の食器が使われています。
韓国料理のお店に行けば必ず金属製の食器にお目にかかりますが、どうして何から何まで金属製なのだろうと不思議に思ったことはありませんか?
金属製の食器を使うようになったのはなぜ?
韓国といえば古くから優れた陶磁器文化を持つ国です。
それなのになぜ、金属製の食器が使われるようになったのでしょうか?
韓国で金属製の食器が使われるようになったのは、古くから中国やモンゴルの侵略を受けてきたことや、戦争や内乱が多かったことが原因と考えられています。
戦況によって移動を余儀なくされた人々にとって、重くて割れやすい陶器より、運び出す際に壊れにくい金属の食器の方が便利だったのです。
日常使う食器のようなものにまで、長い歴史の影響が現れているのですね。
熱い料理にまで金属製の食器を使うのはなぜ?
日本では、熱い料理には厚手の陶器や木製の食器を使います。
これは食器を持ち上げても熱くないようにという配慮でしょう。
一方、韓国では熱い料理であっても薄肉の金属製食器を使います。
なぜでしょう。
ここには両国の食事に対する習慣の違いが挙げられます。
日本ではどんぶりやお椀のようなものは食卓から持ち上げて食べますが、韓国では食器を持ち上げて食べることはマナー違反であり、食器を持ち上げて食べることはしません。
従って、食器が熱くてもかまわないというわけです。
もっとも最近では熱い料理には厚手の陶器を使うようになっています。
韓国の箸が細いのはなぜ?
韓国の箸は細くて使いにくいと思っている方は日本人には多いでしょう。
箸が細いのは金属製なので軽くするためが理由の一つでしょう。
別の理由としては、箸をそんなに使わないということが挙げられます。
基本的に韓国では、箸は大皿から料理を取るために使うもので、ものを食べる時はたいていスプーンを使います。
ごはんもおかずもスプーンで食べるのが一般的なのです。もっとも麺類を食べるときは箸の方がいいでしょうが。
ステンレス製の食器になったのはなぜ?
それまでの食器がステンレス製になり普及したのは、1950年に始まった朝鮮戦争がきっかけだといわれています。
朝鮮戦争がきっかけとなり、それまでの食器に比べ錆びることないステンレスが安く大量に手に入るようになったためです。
また、日本と異なり環境保護のために木製の食器(お椀や箸、割り箸など)が嫌われるとともに、それまでの金属製食器の延長として、ステンレス製食器が一気に普及したというわけです。