日本での「鬼」のイメージ
日本でサンタクロースといえば、赤い服に白いひげのイメージですが、これはどうやらアメリカの影響のようです。
イギリスでは、サンタクロースを「ファーザークリスマス」と呼び、服も緑色だといいます。
このように、名前を聞いただけで、その典型的な姿や形のイメージを連想してしまうケースは多いものです。
それでは、日本で「鬼」というと、どんな姿をイメージするでしょうか?
毎年2月の節分のころに出回る節分グッズに描かれている「鬼」のイラストの多くは、赤っぽい色をした身体に虎柄のシマシマのパンツ、そして頭には牛の角が生えています。
これはなぜなのでしょうか?
「鬼」の姿が「虎のパンツ」に「牛の角」になったのはなぜ?
これは、「鬼」がいるとされる方角、つまり「鬼門」が「北東」であることに由来します。
昔の中国では、方角を十二支を使った方位で示す習慣がありました。
北が「子(ねずみ)」で、東が「卯(うさぎ)」、南が「午(うま)」で、西が「酉(とり)」です。
この方法で示すと、「鬼門」である「北東」は「丑(うし)」と「寅(とら)」の間になります。
そこから、「鬼門」は「丑寅」となるため、「鬼」とは「牛の角を持ち、虎の毛皮をまとっている」と考えられるようになったのです。
この「鬼」のイメージは、鎌倉時代以降に日本にも定着し、現在の日本では「虎柄のシマシマのパンツと牛の角」が「鬼」の定番のスタイルといえます。
ちなみに、「鬼」がいるとされる「北東」の「鬼門」に対し、その反対の南西を「裏鬼門」と呼びます。
この方角には、干支では「申(さる)」、「酉(とり)」、「戌(いぬ)」がいるとされています。
ここから、鬼退治で知られる桃太郎の物語で、お供となった動物が「さる」、「きじ」、「犬」になったとされる説があります。
なお、節分に豆をまいて「鬼」を退治する風習は、1000年以上前からあったとされています。
大豆には霊的な力があり、それが災いをもたらす「鬼」を退治すると考えられていたのです。