神社の呼び方が違う
「出雲大社」、「明治神宮」、「厳島神社」、どれも有名な神社で、毎年多くの参拝者が訪れています。
しかし、不思議に思うことがあります。
いずれも神社なのに、呼び方は「大社」、「神宮」、「神社」と異なっています。
これらにはどのような違いがあるのでしょうか?
「大社」とは?
じつは、平安時代に制定された神社制度「官国幣社制度」のもとでは、「大社」は「出雲大社」だけでした。
しかし、戦後になってこの制度が廃止されると、「住吉大社」や「春日大社」のように「大社」を名乗る神社が増加したのです。
とはいえ、どんな神社でも名乗っていいわけではありません。
多数ある同名の神社の中で本家に当たる神社であることが基準としてあるようです。
「神宮」とは?
次の「神宮」ですが、これは古くから皇室とつながりのある神社か、天皇を祀っている神社に対する呼称です。
「明治神宮」はいうまでもなく明治天皇を、「平安神宮」は桓武天皇をお祀りしています。
ただ、単に「神宮」といった場合には「伊勢神宮」を指します。
誰もが使っている「伊勢神宮」という名は通称で、「神宮」が正式名称なのです。
「神社」とは?
これらに対して、「社」の称号は、大きな神社から神様を勧請、要するに分霊して移した神社に対し使われるのが一般的です。
「宮」のみがつく神社もある?
徳川家康を祀る「東照宮」や菅原道真を祀る「天満宮」のように、「神宮」ではなく「宮」のみがつく神社もあります。
ちなみに、「神社」と「神宮」の違いには、次のようなもう一つの説があります。
「神社」は神様が一時的に下りてくる場所で、用が済んだら神域に帰ってしまいます。
そこで、ずっと神様にいてもらうために住む場所(お宮)を提供しました。
それが「神宮」というのです。
つまり、「神社」は神様が立ち寄る場所、「神宮」は神様が常駐している場所というわけです。