「歌舞伎」はもともと女性が演じていた芸能だった?
17世紀から続く「歌舞伎」は今では古典芸能の花形ですが、「女形」といわれる役者の身のこなしもしなやかで、本当の女性以上に女性的に見えることすらあります。
しかし、「歌舞伎」はもともと女性も演じていた芸能だったのです。
「歌舞伎」は、「出雲のお国」という女性が京都で「ややこ踊り」という小唄踊りを演じたことがルーツといわれています。
「歌舞伎」を演じるのが男ばかりなのはなぜ?
それ以後、遊里で遊女が踊る「遊女歌舞伎」へと移り変わりますが、風紀を乱すという理由から女性の役者が禁止されました。
そのため、「歌舞伎」は男性中心の芸能に変容したのです。
江戸時代に「女形」が花形役者だったのはなぜ?
江戸時代には、「歌舞伎」の花形役者といえば男子が演じる「女形」になりました。
そんな彼らの艶やかな立ち振る舞いに胸をときめかせていたのも男性だったのです。
「役者評判記」という書物にも美貌の美少年について詳しく論じられていますが、彼らは「歌舞伎」を演じるだけではなく、「床入り」といってお客さんとねんごろになることも仕事のうちになっていました。
江戸時代には、衆道といって、美少年と年長の男が交歓する遊びが流行ったことがあり、若い歌舞伎役者、特に「女形」役者は大人気だったのです。
衆道については、井原西鶴の「男色大鑑」にも紹介されており、美少年と合うために金も生命も惜しまないという男が続出していたと説明しています。