京都観光の定番
修学旅行などで多くの人が一度は訪れるお寺が、京都の「清水寺(きよみずでら)」です。
西国三十三ヵ所巡りの一つにも入っていて、いつも観光客で賑わっています。
「清水寺」、「清水の舞台」とは?
よく「清水(きよみず)の舞台から飛び降りる」ということわざが使われることがあります。
その意味は、「強い決意をして思い切って物事に取り組むときの気持ち」を表しています。
「清水寺」は宝亀9年(778年)に、「延鎮(えんちん)上人」が夢の中でこの地に寺を立てよとお告げを受けて建立したといわれています。
かの征夷将軍「坂上田村麻呂」も十一面観音を安置し、崇敬していた由緒ある寺です。
その「清水寺の舞台」は、断崖の上に高さ13メートル、通称「地獄止め」といわれる139本の組木が縦横に組み合わされた構造で建てられています
本当に「清水の舞台」から飛び降りた人はいるの?
「清水の舞台から飛び降りる」ということわざ通り、本当にこの舞台から飛び降りた人は少なくないのです。
「宇治拾遺物語」に、一番初めに飛び降りた人のことが記されています。
検非違使(けびいし)という今でいう警察官が見回りのとき、数人の若い無頼の者と遭遇し、多勢に無勢で追いつめられた際に、この舞台から飛び降り難を逃れたといいます。
これがきっかけとなったかどうかわかりませんが、江戸時代には「この舞台から命をかけて飛び降りると願いが叶う」という一種の庶民信仰のようなものが流行りました。
江戸時代に長期にわたり書かれた「清水寺古記録」とされる「成就院日記」には、なんと未遂も含めて234人も飛び降りた人がいたと書かれているくらいです。
ただし、明治5年に政府によって「飛び降り禁止令」が出され、以来飛び降りは激減しました。
ちなみに、飛び降りた際に死亡する人は15パーセントくらいの確率だそうで、いくら願いが叶うからといっても、かなりリスクのある願掛けだったことは確かなようです。