日本人は几帳面?
日本人は几帳面といわれています。
とりわけ人の名前に関しては、几帳面さが発揮されます。
たとえば、「たかはし」という名前を一つとっても「高橋」「髙橋」など、また、「おおさわ」では「大沢」「大澤」のように、同じ発音でもいろいろな漢字があります。
そこで、メールや手紙を送るときには、名刺や名簿をを取り出して、正しい漢字かどうかをしっかり確認します。
ところが、そんな日本人でも意外なことにあまり気にしていないのが、自分の国の名前の読み方です。
「日本」の読み方、「ニッポン」と「ニホン」どちらが正しいの?
国の名前を漢字で書くと「日本」となりますが、これを読むときには、人によって「ニッポン」だったり「ニホン」だったりします。
「どちらが正しいの?」と外国人に聞かれたらなんと答えればいいのでしょうか?
その答えは「どちらも正しい」なのです。
現在の日本政府の見解も、「どちらの読み方でもよい」というものです。
そこで、歴史をさかのぼってみて、どちらの読み方が「古いのか」をみていきましょう。
ここで注目したいのは、「はひふへほ」と「パピプペポ」の歴史、すなわち発音の歴史です。
じつは、「はひふへほ」の音は、これまでの歴史の中で変化を繰り返しています。
現在は「ハヒフヘホ」と「H」で始まる音で発音していますが、戦国時代は「ファフィフフェフォ」のように「F」で始まる音であったと考えられています。
当時、日本を訪れていたポルトガル人が残した日葡(にっぽ)辞書(日本語とポルトガル語の辞書)には、「日本」について「ニフォン」、「ニッポン」、「ジッポン」の3つの記載があります。
さらに、時代をさかのぼると、「パピプペポ」のように「P」で始まる音として発音していたと考えられています。
そして、単語の途中に「P」音があると、その前に「ッ」が挿入されます。
つまり、昔は「日本」と書いて「ニポン」ではなく「ニッポン」と読んでいたわけです。
そうなると、より古い「日本」の呼び方は、「ニッポン」、その後「ニフォン」になって、さらに「ニホン」となったといえるかもしれません。