「海上保安庁」と「海上自衛隊」はどう違う?
「海上保安庁」と「海上自衛隊」、何となく似ている感じがしないでもありませんが、まったく異なる組織であり、実体としても異なります。
組織としての違い
「海上保安庁」は、国土交通省に属する海の警察・消防組織です。
一方、「海上自衛隊」は、防衛省に属し、国家の防衛を担っています。
「海上自衛隊」と名乗っているものの、世界標準でみれば海軍以外の何物でもありません。
「海上保安庁」の場合、海上保安庁法第25条に軍隊ではないことが明記されています。
武装のレベルの違い
「海上保安庁」は警察・消防、「海上自衛隊」は海軍なのだから、武装のレベルはまったく違います。
「海上保安庁」の艦船が軽武装なのに対し、「海上自衛隊」の艦船はミサイルや大口径の砲などを搭載しています。
役割の違い
そんなわけで、平時の海のもめ事は、海の警察である「海上保安庁」が担当します。
領海侵犯に対処するのも「海上保安庁」の巡視船ですし、民間の海難事故の救出に向かうのも「海上保安庁」です。
「海上自衛隊」が洋上で本格的任務につくのは、「海上保安庁」では手に負えない国際的事件が起きた時です。
重武装船が領海侵犯をして立ち去らないといった時、「海上自衛隊」に命令が下り、護衛艦が出動します。
有事ともなれば、もちろん主役は「海上自衛隊」となります。
「海上保安庁」と「海上自衛隊」の艦船はすぐに識別できる?
「海上保安庁」と「海上自衛隊」の艦船はすぐに識別できます。
「海上保安庁」の船(「巡視船」など)が白を基調としているのに対し、「海上自衛隊」の艦船(「護衛艦」など)がグレー系で塗装されています。