「世界三大荒行」とは?

世界中のさまざまな宗教には、修行がつきものです。

なかでも厳しい修行として知られているのが、インドの「ヨガの修行」、日蓮宗の「大荒行」、天台宗の「千日回峰行」で、世界三大荒行と呼ばれています。

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「千日回峰行」とは?

とりわけ「千日回峰行」は、7年間かけて行なわれる極めて厳しい苦行です。

1年目から3年目までは、比叡山中の険しい山道を1日に30キロの行程、260ヵ所以上の定められた礼拝の場所でお経を唱えながら、毎年100日間行じます。

4年目と5年目は、同じ30キロの行程をそれぞれ200日。

ここまでの700日を満じて、9日間の断食・断水・不眠・不臥の「堂入り」に入り、不動真言を唱えつづけます。

6年目は、これまでの行程に京都の赤山禅院への往復が加わり、1日約60キロの行程を100日。

7年目は200日を巡ります。

7年目前半の100日間は、比叡山山中の他、京都市内も巡礼し、1日の全行程は84キロにもおよびます。

最後の100日間は、もとどおり比叡山山中30キロを巡り、満行となるものです。

平安時代に始まったという「千日回峰行」、過去1300年の歴史の中で、この荒行をなしえたのは「わずか51人」というすさまじさです。

ちなみに、二回達成したのは「3人」です。

「達磨大師」と「だるま」

仏教の一派である「禅宗」でも、伝説的な修行をした人物がいます。

禅宗の開祖とされているインド人仏教僧「達磨大師」です。

壁に向かって9年間も座禅を組み続けたせいで、手足が腐ってなくなってしまったといいます。

この「達磨大師」は、日本人には、縁起物として親しまれている「だるま」のモデルです。

「禅宗」は鎌倉時代に日本に伝わり、その頃から「禅宗」の寺には、「達磨大師」の坐禅姿を模した丸い置物が置かれるようになったといいます。

これが「だるま」の原型です。

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「だるま」が赤いのはなぜ?

この「だるま」ですが、現代では禅宗のみならず宗教、宗派を越え縁起物として広く親しまれています。

縁起ものである「だるま」の置物画像

多くは赤色の張子(はりこ)で製作され、目の部分は書き入れずに空白のままに残しています。

そして何らかの祈願を行い、祈願が叶うと目を書き入れるという習慣があるのをご存知でしょう。

ところで、「だるま」が赤いのはなぜでしょうか?

当初の「だるま」はインドで僧侶の衣服の色として用いられた黄色であったと伝えられています。

それが江戸時代になると赤く染められるようになりました。

その理由には諸説がありますが、「禅宗」では最高位の大僧正が赤い法衣をまとうことから、「達磨大師」をモチーフとした「だるま」も赤く塗られたとされています。

また、「赤」は太陽や火を表す色で、病や災いをを防ぐ魔除けの効果があると考えられていました。

江戸時代には天然痘が流行したこともあり、「赤色」で病を防ぐという意味から「だるま」も赤くなったという説もあります。

ただし、最近は、「赤」以外にも黄色や緑、青、紫、ピンクなどカラフルな「だるま」が作られるようになりました。

それぞれの色には意味があり、例えば「黄色」は金運アップ、「緑」は健康運アップ、「ピンク」は恋愛成就などに効果があると宣伝されています。

自分の願いごとにピッタリの「だるま」を選ぶのが、現代のトレンドなのかもしれません。

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