漢字の意味、成り立ち?
漢字は、それぞれの文字が、意味やその文字の成り立ちを示しているのが特徴です。
そのため、「礼遇」と「冷遇」など、同じ読みなのに意味がほぼ正反対になってしまうこともあります。
また、同じ漢字圏でも国が違うと文字が持つ意味合いも違ってくるようで、中国語で「手紙」と書けばトイレットペーパーのことになりますし、「愛人」は妻や夫のことです。
ところで、漢字に意味を考えていくと不思議なことに、同じモノを示していると思われるのに、違う漢字を使う場合があります。
「海老」と「蝦」の違いってなに?
例えば、「海老」と「蝦」、どちらも「えび」のことですが、なぜ漢字が2種類あるのでしょうか?
意味や成り立ちを示すのが漢字の特徴なのだから、この2つにはきっと違いがあるはずでしょう。
その通り、2つの漢字はそれぞれ違う「えび」を指しているのです。
そもそも「えび」は、海底を歩くタイプの歩行型と海中を泳ぐタイプの遊泳型に大別されます。
一般的に、歩行型を「海老」、遊泳型を「蝦」と書くのが正しいとされています。
ということは、文章の中で「えび」のことを書く場合、その「えび」が「歩くのか」、「泳ぐのか」を調べて書かないといけないのでしょうか?
じつは、そこまで厳密には区別されていないようです。
現在では、「伊勢えび」のような大きな「えび」は「海老」、「芝えび」や「桜エビ」など小型の「えび」は「蝦」と書くのが通例のようです。
となると、困るのは「車えび」や「ぼたんえび」などの中型の「えび」です。
インターネットで検索すると、「車蝦」よりも「車海老」の方が多いようです。
ちなみに、「えび」は英語でも大きさによって呼称が異なります。
「伊勢えび」のような大きな「えび」は「ロブスター」、「車えび」くらいの大きさのものが「プローン」、小さな「えび」は「シュリンプ」といいます。
日本語より細かく分けられているのです。
もし、外国人に「海老」と「蝦」の違いを聞かれたら、英語でも大きさによって明確に区別されていることを説明してあげましょう。