将棋の「歩」の裏側が「と」なのはなぜ?


古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「幸運に恵まれた愚か者」という言葉を残しています。

これは、知性も教養もないのに、急に莫大な金銭や財産を手に入れた人のことで、英語では「ニューリッチ」などと呼ばれることもあります。

日本語では、いわゆる「成金」です。

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「成金」の由来は?

この「成金」という言葉は、将棋に由来しています。

将棋では、王将と金将以外の駒、つまり「歩兵」、「香車」、「桂馬」、「銀将」を敵陣に侵入させるときに、その駒を裏返して「金将」と同じ働きをする駒にできます。

これを「金に成る」といい、そこから転じて「成金」という言葉が生まれたとされています。

「歩」の裏側が「と」なのはなぜ?

それぞれの駒の裏側には、晴れて「金将」と同じ働きができるようになったことを示す文字が書かれていますが、なぜか「歩兵(略して歩)」の裏側には、「金」ではなく「と」と読めるような字が書かれています。

将棋盤の上に載った将棋駒の数々の画像

他の駒はちゃんと「金」と書かれているのにです。

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そのため、歩が成ったものを「と金」と呼びますが、なぜ「歩」の裏だけが「金」ではなく「と」に似た字になっているのでしょうか?

じつは、昔は「歩」の裏にもちゃんと「金」と書かれていたのです。

しかし、「歩」は駒の数が多いので、いちいち書くのが面倒になったのか、崩して書かれるようになり、ひらがなの「と」に似た文字になってしまったという説があります。

ここで大切なことは、あくまでも「と」に似た字であって、「「と」と書かれているのではない」ということです。

字を崩して書いたという説が多く、「金」と同じく「きん」と読む「今」を崩して書いていたら「と」に似た字になったという説もあります。

一方で、「と」と書いてあるという説もあります。

この説によれば、「歩」は「止」を上下に二つ組み合わせた字だから、「止」の略字である「と」を書いたというのです。

最近の市販の将棋セットでは、駒のサイズが小さいこともあって、「歩」の裏にはカタカナの「ト」が書いてあることもあります。

「と」ではなく、略字が「と」に見えているという説を考えると、カタカナの「ト」と書くのは意味が違うといえそうです。

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