「レギュラー・コーヒー」は「和製英語」?

「コンセント」「エアコン」「ノートパソコン」など、普段の暮らしで使っている単語ですが、外国人との会話では使わないように注意しましょう。

英語だと思い込んでいると、外国人にはまったく意味が通じなくて恥をかいてしまいかねません。

これらは「和製英語」なのです。

じつは、「レギュラー・コーヒー」も、そんな「和製英語」の一つといえます。

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日本での「レギュラー・コーヒー」とは?

かつて日本では、本格的なコーヒーを家庭で飲む習慣はなく、「インスタント・コーヒー」が主流でした。

ところが1970年前後より、焙煎した豆から抽出するコーヒーが家庭にも普及し始めました。

その際、「インスタント・コーヒー」と区別するために生まれたのが「レギュラー・コーヒー」という名称なのです。

「レギュラー・コーヒー」とは、豆の種類や飲み方、コーヒーの淹れ方に由来したものではなく、焙煎したコーヒー豆を粉状にし、ペーパーフィルターなどでドリップして飲むものをすべて「レギュラー・コーヒー」と呼んだのです。

ペーパーフィルターでドリップしている「コーヒー」の写真画像

外国での「レギュラー・コーヒー」とは?

この「レギュラー・コーヒー」という言葉は、英語にもあるにはあるのですが、意味合いはさまざまです。

例えば、ニューヨークのカフェで「レギュラー・コーヒー」を注文すると、コーヒーにミルクと砂糖が入ったものが出てくるのが一般的とのことです。

一方、地域によってはブラック・コーヒーのことだったり、カフェイン入りのコーヒーだったりするようです。

また、コーヒー・カップのサイズが「レギュラー」であることも多いです。

いずれにしても、日本で一般的に呼ばれている「レギュラー・コーヒー」とは、意味合いが異なるのです。

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ちなみに、世界で初めてコーヒー・ハウスができたのは1554年、当時のオスマン帝国のコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)といわれています。

日本には、江戸時代初期に長崎の出島のオランダ商館を通じて入ってきたとされますが、文献に登場するのは1780年代に入ってからです。

日本で初めてコーヒーの風味についてコメントしたのは、食通で知られる蜀山人で「焦げ臭い飲み物だ」と語ったそうです。

オランダ商館を通じて入ってきたことから、日本語のコーヒーという呼び名は、英語の「coffee」ではなく、オランダ語の「koffie」に由来するといわれています。

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