戸籍に記載される重要な届け出
「出生届」と「死亡届」は必ず提出しなければならない戸籍に記載される重要な届け出です。
当たり前ですが、これら二つはいずれも本人が出すことができないという共通点があります。
このため、重要にもかかわらず、家族の誰かが出しただろうという思い込みや勘違いによって出し忘れてしまう危険があります。
では、これらの届けはいつまでに提出しなければならないのでしょうか?
「出生届」の提出期限は?
「出生届」と書いて「しゅっしょうとどけ」と読むのか「しゅっせいとどけ」と読むのか迷うところですが、法律用語としては「しゅっしょうとどけ」と読むのがが正しいようです。
さて、「出生届」(正式には「出生届書」)は生後14日以内に医師または助産師による「出生証明書」を添付して出生地か本籍地、届出人の住所地の市区町村役場に提出しなければなりません。
ところが、「忙しい」、「忘れていた」など正当とみなされない理由で提出期限を過ぎると、3万円以下の「過料」を徴収されることがあります。
「過料」は一種の罰金ですが、刑事罰ではないので前科になることはありません。
しかし、役所に催促されても届け出なかった場合は、「過料」は5万円以下に増額されます。
届け出の時にはもちろん名前を決めておく必要がありますが、期限内に名前が決まらなかった場合でも、名前の欄を空白で提出して、後日「追完届」を出して名前を記載してもらう方法もあります。
ただし、この場合は名前が未定で「出生届」が出されたことが戸籍に記載されますので注意が必要です。
なお、国外で生まれた場合は届け出の期限は、生まれた日から3ヵ月以内となります。
「死亡届」の提出期限は?
「死亡届」(正式には「死亡届書」)は死亡を知った日から7日以内に届けなければなりません。
この場合も医師による「死亡証明書」の添付が必要となります。
「死亡届」も「出生届」と同様に、正当な理由なく届けが遅れた場合には、3万円以下の「過料」を徴収されることがあります。
また、国外で死亡した場合の届け出の期限は、死亡を知った日から3ヵ月以内となります。
「死亡届」に関連して、最近では「死亡届」を出さずに故人の年金を着服するという事件がしばしば報道されているのは皆さんご承知でしょう。
ところで、「婚姻届」にも提出期限があるの?
「死亡届」や「出生届」とは異なり、「婚姻届」には届け出の期限はありません。
「婚姻届」の場合は届け出の日が婚姻の日となり、その時点から効力が発生するからです。
いずれの「届書」も戸籍に関わる重要なものですので、遅滞なく提出することが必要です。