警察は「110」番、消防が「119」番!
住所や氏名から電話番号を調べてほしいときに「104」、電話で天気予報を聞くには「177」、正確な時刻を知りたければ「117」など、電話で簡単にさまざまな情報をえられる「電話の三桁番号サービス」があります。
今では、スマートフォンの普及でめっきり利用する人は減ったのではないでしょうか?
スマートフォンがあれば、電話番号はネットで調べられますし、天気予報はアプリでわかります。
また、時刻は常にスマートフォンの画面に表示されています。
ただし、いくらスマートフォンが普及しても、「110」と「119」の緊急番号は、ネットやアプリでは代用できないでしょう。
やはり、緊急時にはこの番号への電話が必要です。
警察は「110」番、消防が「119」番になったのはなぜ?
「110」は警察で、「119」は消防、救急への通報ですが、この2種類の番号は万国共通なわけではありません。
アメリカでは警察も消防も救急も「911」ですし、ロシアでは2桁で警察が「02」、救急が「03」、消防が「01」なのです。
イギリスではアメリカと同様に警察も消防も救急も同じですが、「999」と「112」の2種類があります。
日本ではなぜ、「110」と「119」なのでしょうか?
じつは、もともと消防、救急への通報は「112」でした。
1926年(昭和元年)に消防への通報は「112」と決められたのですが、当時はダイアル式の電話でした。
「1」と「2」が近いために、大慌てで電話すると間違えてしまう人が続出したといいます。
そこで、1927年(昭和2年)に「11」はそのままに、末尾の「2」を「1」からできるだけ遠い「9」に変更し、「119」としました。
一方、警察への通報は当初、東京や大阪など主要都市ごとに異なっていたといいます。
それを、1954年(昭和29年)から全国共通の「110」に統一しました。
消防、救急の「119」と同様に、「11」の次には「1」から遠い「0」が選ばれ、「110」とされました。
なお、当初消防、救急への通報が「112」とされたのは、ダイアルの時間をできるだけ短くするためでした。
世界で「112」を警察や救急、消防への通報に採用しているのは、韓国やイタリアなどですが、同様の理由と考えられています。