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「モンドセレクション金賞受賞」という言葉をよく見聞きしませんか?
テレビなどで、「この商品は「モンドセレクション」で「金賞」を取りました!」などと宣伝しているのをご存知でしょう。
また、スーパーなどに行っても、「モンドセレクション「金賞」受賞」とパッケージに記載されている商品を多く見かけます。
何となく、「モンドセレクション」という国際的な賞で、「金賞」というからには第1位になったのだろうなとつい思ってしまいますが、どうもそうではなさそうです。
そもそも「モンドセレクション」とはなにか、その中で「金賞」とはどの程度のものなのかについて見ていきましょう。
「モンドセレクション」とは?
「モンドセレクション(Monde Selection)」とは、食品、飲料、化粧品、ダイエット、健康を中心とした製品の技術的水準を審査する民間団体で、1961年ベルギーの首都ブリュッセルに設立されました。
審査対象商品
毎年、専門家や評論家などが審査を行いますが、審査対象商品は次のとおりです。
I. 品質ワールドセレクション部門(コンクール形式ではない)
- 食品分野
– 蒸留酒、リキュール
– ビール、その他の飲料
– 食品
– 菓子
– 穀類製品
- 非食品分野
– タバコ
– 化粧品、トイレタリー
– ダイエット、健康
II. ワイン部門(コンクール形式)
- ワイン
審査要領
出品者からモンドセレクション本部に送付された商品に対し審査が行われます。
審査基準としては、「味覚」、「衛生」、「パッケージに記載されている成分などが正しいか」、「原材料」、「消費者への情報提供」等について審査されます。
そして、各項目の審査点数を加算し、総合得点によって各カテゴリごとに、「優秀品質最高金賞」、「優秀品質金賞」、「優秀品質銀賞」、「優秀品質銅賞」が授与されます。
「モンドセレクション」で「金賞」とは?
「金賞」はひとつの商品だけに与えられるの?
4年に一度開催されるオリンピックでは、どの競技も金メダルはひとつしかありません。
しかし、食のオリンピックともいわれている「モンドセレクション」で「金賞」を受賞したという商品は、なぜか非常に多いのです。
これは、商品が安全で、パッケージの表記が正当であるなどの基準を満たしていると、「金賞」が複数授与されるというシステムだからなのです。
世界の市販品の品質を高めることを目的に創設された賞ですが、日本の製品のエントリー数が圧倒的に多く、受賞も多いという実態があります。
これが、「モンドセレクション「金賞」」受賞商品があちこちで販売されている理由の一つなのです。
「金賞」の具体的な実態は?
より具体的に見ていくと、2017年は審査対象2,965製品中、14%の420製品が「最高金賞」、46%の1,368製品が「金賞」と実に60%が「金賞」以上に認証されています。
また、90%以上の2,691製品が銅賞以上に認証されているため、90%以上が何らかの賞を受け取れるのは多すぎるのではないかとの批判もあります。
しかし、「モンドセレクション」の認証は、定められた技術水準を満たした商品には全て与えられる品質認定の賞なので、やむを得ない面もあります。
また、「モンドセレクション」は国際的には知名度は低いのですが、日本国内での知名度は非常に高いものがあります。
これは、審査対象品の50%が日本からの出品であり、日本の商品の高品質が認められ80%が入賞しているため、非常に多くの受賞商品が幅広く販売・宣伝されているためと考えられます。
これまで見てきたように、「モンドセレクション」の「金賞」は多くの商品が同時に受賞していますので、それら受賞商品は国際的に高品質と認定されているくらいに考えた方がいいでしょう。