「オープン価格」とは?
「2割、3割引き!」
以前は家電量販店の店頭などでよく見られたこんなフレーズも、ここ数年はとんと目にしなくなりました。
これは公正取引委員会が、実体のない「定価(希望小売価格)」に対しての値引き率を前面に出した売り方が消費者に対して誤解を与えるとして問題にしたからです。
たしかに、今の電気製品のカタログなどを見ると、価格欄には「オープン価格」と書いてあり、その下の隅の方に「オープン価格商品の価格は小売店にお問い合わせください」などと書かれているだけのものが多いです。
これを見ると「オープン価格」商品の値段は小売店が独自に決めているということになりますが、一体「オープン価格」とはそもそもどんな値段なのでしょうか?
「オープン価格」導入前の問題点とは?
「オープン価格」の導入前は、メーカーが定める「希望小売価格」に対して「○割引」という表示を大きく出し、「実売価格」はその下に示されていることが多かったものです。
この場合、モデルチェンジの後など「実売価格」が大きく下がるような時期には、旧製品が「希望小売価格」に対して大きく値引かれることが多く、商品知識のない消費者はその値引き率についつられて旧製品を買ってしまうケースがありました。
実際の売り場では「希望小売価格」で売られることなどはほとんどなかったのですが、「希望小売価格」を高く設定することで見かけの「割引率」を上げておいて、お得感を容易に演出したことが問題となったのです。
つまり、あらかじめ高めに設定した「希望小売価格」に対して、「希望小売価格の60%OFF!」などと言う価格表示は二重価格となり、消費者保護の視点からいっても問題があったのです。
では、「オープン価格」って一体なに?
片や、「オープン価格」の場合、価格は各小売店が仕入れ値に経費と利益を上乗せして独自に決定します。
この時、その小売店が仕入れた仕入れ値を下回る値段で売ると当然のことながら損をしてしまうので、極端な安値はつけられなくなります。
また、他の店に比べて極端に高値をつけると今度はかえって売れなくなってしまうという痛しかゆし的なところがあります。
結局のところ、「オープン価格」といってもお店によって価格に大きな差が生じるわけではないのです。
ただ、「オープン価格」の場合、カタログなどを見ても価格レベルがわからず、実際に小売店で確認する必要があります。
この点は不便ですが、最近ではインターネットで「実売価格」を調べることができますのでこの問題は少なくなってきています。