日本人の多くが悩みや不安を抱えているかもしれない?
日本で暮らす外国人が、駐車場に書いてある「前向き」という表示を見て、すぐには前向き駐車のこととは気づかなかったといいます。
もちろん、車を停めた人を「前向きに!」と励ましているわけではないのはいうまでもありません。
でも、励ましてあげたくなるほど、日本人の多くが悩みや不安を抱えているかもしれません。
実際、アメリカのある広告代理店の調査では、「何か心配事がありますか?」という質問に、日本人の約9割が「はい」と答えたそうです。
アメリカの約7割、フランスの約4割、中国の約3割と比べて非常に高かったといいます。
日本人は「心配性」なのでしょうか?
日本人は「不安になりやすい」?
それについては、科学的な裏付けもあるようです。
日本人の多くが「不安遺伝子」、わかりやすくいうと「不安になりやすい」遺伝子を持っているといいます。
脳内の神経伝達物質の一つに「セロトニン」がありますが、これが少なくなると不安を感じたり、うつ病を引き起こしたりするおそれがあることはさまざまな研究で示されています。
この「セロトニン」を調整している遺伝子には「S型」と「L型」の二種類があります。
「S型」を持っていると「セロトニン」が少なくなってしまい、不安を感じやすくなってしまうといいます。
ある研究では、日本人の9割以上が、この「S型」を持っているとされています。
要するに、ほとんどの日本人は「不安になりやすい」傾向を持っているということです。
ちなみに、アメリカ人は6割~7割だといいます。
日本人が、ストレートな感情表現が苦手で集団行動を好むのも、この「不安遺伝子」のせいかもしれません。
自己主張をして嫌われたらどうしようと考えすぎてしまうのです。
ただし、不安になりやすい人は、心配性なので事故に遭いにくい、集中力や記憶力に優れているなどとする研究もあります。