「イケメン」とは?
以前には、二枚目は「いい男、ハンサム、美男子」などといわれていましたが、最近の言葉でいえば「イケメン」なのでしょう。
「イケメン」とはルックスのいい男子のことですね。
つい最近の言葉と思われがちですが、なんと1999年に当時のギャル系雑誌で、「イケてるメンズ」という言葉を使ったのが最初だといわれています。
「イケメン」という言葉すら15年以上も前からの言葉となると、同じ意味の「ハンサム」や「美男子」などは、すでに死語となっているのでしょう。
江戸時代から使われてきた「二枚目」という言葉を聞いて、ピンと来る人は世代にもよるでしょうが、すでに少ないかもしれませんね。
「二枚目」とは?
日本では、古くから色男のことを「二枚目」と呼んできました。
なぜ、「二枚目」と呼ぶのだろうか、枚数で数えるのはどうしてだろうかという疑問が浮かんできます。
その理由は、歌舞伎役者の看板の並び順に由来しています。
芝居が始まる前から劇場の入り口に、出演する役者の看板が並べられましたが、この順番が重要だったのです。
人気はあるが主役とは限らない役者、芝居の中で色恋をうまく演じる色男役者の看板が「二番目」に並べられたのです。
だから、彼らを「二枚目」と呼んだのです。
「三枚目」とは?
「三番目」に並ぶのが、物語を賑やかに盛り上げる道化役です。
芝居は、かっこいい役者だけでは成り立ちません。
ストーリーに緩急をつけるためにも、笑いも必要です。
芝居の上では、道化役も極めて重要な役回りなのです。
だから、看板の「三枚目」に道化役が並びました。
では、「一枚目」とは誰のこと?
さて、色男や道化役よりも先に並べられる「一枚目」は、誰なのでしょうか?
当然、物語を作る上でもっとも重要な主役が最初に来ます。
ちなみに、看板は八枚並べられ、最後の八枚目には一座の座長が並べられました。
テレビやインターネットもない時代、劇場前に並べられる看板は、極めて重要な宣伝材料だったのです。
演目と看板の並び順で、どの役を誰が演じるかが、観客にはある程度想像がついたのです。
そういえば、「二枚目」や「三枚目」という言葉は今でも使われていますが、「一枚目」という言葉は聞きませんね。
じつは、「一枚目」は「一枚看板」という言い方で残っているのです。