マンションの「専有部分」と「共用部分」の誤解
マンションなどの集合住宅には「専有部分」と「共用部分」があることはよく知られているところです。
鍵がかかるところが「専有部分」で、みんなが使う部分が「共用部分」くらいの認識の人が多いかもしれません。
しかし、この「専有部分」と「共用部分」、しっかりと理解しておかないと思わぬトラブルの原因ともなりかねません。
マンションの「専有部分」と「共用部分」って具体的には?
「専有部分」と「共用部分」を一言で説明するならば、「専有部分」というのはマンションの各戸の境の壁(構造壁)の内側から内側までで、それ以外の部分はすべて「共用部分」になります。
厳密にいうならば、壁(構造壁)そのものは「共用部分」ですが、壁紙は「専有部分」に当たります。
これは、壁そのものを各戸の「専有部分」とすると、勝手に壁を削ったり、窓を作られたりする可能性があり、それでは建物そのものの強度を著しく損なうからなのです。
ただし、各戸の間取りを区切っている構造壁ではない壁は内装の一種であり、取り払ってしまっても建物の強度に影響がないため「専有部分」とされ、自分で自由に模様替えができます。
しかし、この場合でも一戸当たりの面積が広いマンションで、部屋の中に構造壁がある場合は、その壁については「共用部分」になります。
マンションの「ベランダ」は「専有部分」なの?
ところで、よく勘違いされやすいのが「ベランダ(バルコニー)」の区分です。
普段はそれぞれで占有して使用しているために「専有部分」と思っている人が多いのですが、これは緊急時には避難通路となるため、所有者が勝手な改造をすると非難の妨げになる可能性があります。
したがって、原則的には「共用部分」として、平常時の「専有使用権」を認める方式になっているケースがほとんどです。
このため、ベランダに物置やサンルームなどを勝手に設置することは、「共用部分」の不法使用に当たるので注意が必要です。
隣近所で密接しているマンションでの生活では付き合いが大切です。
「共用部分」をしっかり確認して、スマートなマンション生活を心掛けたいものです。