手間のかかる髪型
髪型は重要なファッションのひとつですね。
中には非常に手間のかかるヘアスタイルもあります。
手間のかかるヘアスタイルといえばなんといってもミュージシャンなどにみられる「ドレッドヘア」でしょう。
長い髪の毛を、いくつもの束にして、それぞれをロープのように編んでいくのですから。
しかし、日本にも非常に手間のかかる髪型が流行していました。
それは「ちょんまげ」です。
お侍は、なぜ「ちょんまげ」なんて結っていたの?
かつての日本の侍は、刀を腰に帯び、頭には「ちょんまげ」を結っていました。
「ちょんまげ」とは、髪の毛を額から頭頂部にかけて剃り、後頭部と側頭部だけを伸ばします。
そして伸びた髪の毛を一本の束にして頭頂部にちょこんと載せた髪型です。
武士が「ちょんまげ」を結っていた理由は、戦いのときに頭を守る兜にあります。
鉄の帽子といってもいい兜は、長時間着用していると蒸れます。
そのため、兜をかぶるときは頭頂部を剃っていました。
そして、残った後頭部の髪の毛を後ろに束ねていたのが始まりとされます。
この「ちょんまげ」、放っておくと額から頭頂部に髪が生えてくるので、頻繁にカミソリで剃らないといけません。
「ちょんまげ」を結うのも形を整えるのも、自分でやるのは大変です。
そこで、「髪結い」という職業が繁盛したといいます。
お侍以外の人の髪形は?
「ちょんまげ」は武士だけのものではありませんでした。
一般の男性も「ちょんまげ」を結っていたのです。
ただし、「ちょんまげ」にはさまざまなバリエーションがありました。
身分や職業によって基本の形が決まっているのはもちろん、その時々の流行によっても形に違いがありました。
また、日本女性の髪形も、男性に負けじと複雑でした。
女性の髪形にも、身分やその時々の流行によっても形に違いがありました。
現代でも和式の結婚式では、新婦は頭の上に持ち上げた髪を結って飾りを作る「文金高島田」という髪型にします。
今の結婚式では、かつらを使うのが一般的ですが、江戸時代には自分の髪であのような髪形を作っていたのです。
昔の日本人はなんと手間のかかる髪型をしていたのでしょう。