今回は「会席料理」について
以前、「「会席料理」と「懐石料理」の違いを簡単にいうと?]というタイトルで、「会席料理」と「懐石料理」の違いについて紹介しましたが、今回は「会席料理」の恥をかかない食べ方について紹介します。
さて、サラリーマンのランチタイムといえば、出てきた定食を片っ端からかっ込み、そそくさと会社に戻るというのが普通でしょう。
あわただしくて何をどう食べるかなど気にしている余裕もないのが実情ではないかと思います。
しかし、料亭での接待の席などでは、やはりきちんとした作法は守られてしかるべきです。
頭の固い取引先なら相手の食事のマナーしだいで、今後の付き合いを考えるというケースもあるかもしれません。
料亭や料理旅館などで良く出されるのは、料理が順番に運ばれてくる「会席料理」です。
「会席料理」の献立と恥をかかない食べ方は??
店やコースによっても異なりますが、一般的には次の献立が順に出てきます。
- 「先付け」
- 「吸い物」
- 「刺身」
- 「煮物」
- 「焼き物」
- 「揚げ物」
- 「蒸し物」
- 「酢の物」
と来て、最後に、
- 「ご飯」
- 「味噌汁」
- 「香の物」
そして、
- 「水菓子」
で締めます。
ところで、ほとんどが一品ずつ運ばれて来るのに対し、「ごはん」、「味噌汁」、「香の物」はセットで運ばれてくることが多いです。
ここで、これらを食べる順番は決まっているのでしょうか?
結論からいえば、「会席」の場合は自由なのです。
つまり、普段の食事のように「味噌汁」を一口含んでから「ご飯」へと進み、あとは「香の物」をつまみながら、交互にバランスよく食べるのがいいでしょう。
ちなみに、これが「茶の湯」の席でふるまわれる「茶懐石」となると話は別になってきます。
こちらは、日本古来の一汁三菜を基本としたもので、作法にも厳しく、最初に「ご飯」を頂くのが決まりになっているのです。
「会席料理」は格式が高く、豪勢な「本膳料理」がルーツです。
現在では、酒宴で出される日本料理のフルコースの代名詞的存在であり、基本的にはお酒に合うおかずを次々と提供し、「物足りなければ」という意味合いで締めに「ご飯」が出されるのです。
なかには「ご飯はおかずと一緒に食べたい」という人もいるでしょうが、もちろん先に「ご飯」を頼むことも可能です。
しかし、プライベートならともかく、接待の席では相手の食べ方に合わせる方が無難でしょう。