結婚式は「教会」、お宮参りは「神社」、お葬式は「お寺」、・・・?
結婚式は「教会」で行い、子供が生まれたら「神社」にお宮参り、そして死んだら「お寺」でお葬式。
外国人が聞いたら、どの宗教を信じているのですか?と首をひねるかもしれませんね。
しかし、日本人にとっては、当たり前のことです。
なぜなのでしょうか?
日本人は昔から、外国の文化を受け入れて、日本人向けにアレンジするのがうまかったといえます。
宗教行事もそれと同じと考えてもいいでしょう。
なぜ日本人は宗教をあまり気にしない?
たとえば、「クリスマス」。
クリスチャンでない人もケーキを買ってツリーを飾り、プレゼントを交換します。
これらは欧米の習慣にならったと思いがちですが、生クリームやイチゴでデコレーションされたケーキやチキンを食べるのが定番なのは、日本だけといわれています。
12月25日ではなく、24日の「クリスマスイブ」が「本番」のごとく盛り上がるのも、日本ならではないでしょうか?
恋人とデートする日と思い込んでいる向きも多いかもしれませんが、欧米では家族で過ごすのが主流です。
このように、本来は宗教行事であっても、日本流にアレンジされていく過程で宗教色がどんどんなくなり、宗教とは関係のない「イベント」として独自の変化を遂げてきた例は多いものです。
「バレンタインデー」にチョコレートを贈る習慣も、「ハロウィン」の仮装も同様です。
商業主義と批判される場合もありますが、宗教や他国の文化に寛容な国民性と考えることもできるでしょう。
また、もともと日本人が宗教をあまり気にしないこともあるでしょう。
日本は仏教国といわれることもありますが、そもそも日本人は昔から「お寺」も「神社」も混同して考えてしまう傾向がありました。
節分の豆まきは「お寺」でも「神社」でも行われますし、初詣も「神社」以外に成田山新勝寺や川崎大師などの「お寺」が毎年多くの参拝客を集めています。
「神社」だけにお参りに行くわけではないのです。
それに、日本には「八百万(やおろず)の神々」もいますしね。
日本人にとっては、豆をまいて災いを払ったり、年の初めに希望や夢がかなうようにお参りしたりする行為、すなわち「イベントを楽しむこと」が大切であって、宗教が大事なのではないように思えてきます。