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日本の通貨の単位「円」は「¥」または「YEN」と表示されている
日本の通貨の「円」は「¥」という記号で表されます。
アルファベットの「Y」に二本線を足した形ですが、なぜ「Y」なのかといえば、「円」のローマ字表記が「YEN」だからなのです。
この「YEN」は、一万円、五千円、千円紙幣の裏側に表示されています。
ここで大きな疑問が一つあります。
「円」を、「EN」ではなく「YEN」と書くのはなぜ?
「円」は「エン」なのだから、ローマ字表記ならば「EN」でいいはずです。
なぜ、「EN」ではなく「YEN」なのでしょうか?
その理由にはいろいろな説があります。
発音上から「EN」を避けたという説
まずは発音上の理由です。
「EN」を外国人が発音すると「エン」ではなく「イン」に近い発音になります。
確かに、英語では「ENGLISH」は「イングリッシュ」です。
日本語の「エン」の発音に近づけるために「Y」をつけたという説です。
「EN」は外国語で別の意味を持っているので避けたという説
また、「EN」はオランダ語やスペイン語、フランス語では、それぞれ別の意味を持つ単語なので、同じ表記を避けたという説もあります。
中国通貨の「元」との関係によるという説
一方、中国の通貨である「元」との意外な関係も興味深いものがあります。
「元」の紙幣には、通貨単位の「圓」が「YUAN」として表示されています。
それが「YEN」に転化したとする説もあります。
この「圓」という字は「円」の旧字体ですが、この字が日本に入ってきたとき、ひらがなでは「ゑん」と表記されました。
この「ゑ」は今では使われていませんが、「あ行」の「え」ではなく、「わ行」の「え」、つまり「わいうえを」の「え」なのです。
「あ行」の「え」はローマ字表記では「E」で、「わ行」の「え」すなわち「ゑ」は「YE」と表記されました。
これが「YEN」の由来ともいわれています。
ちなみに、「ゑ」をカタカナで書くと「ヱ」です。
サッポロビールのホームページや瓶、缶などを見ると、「エビス」ビールではなく、今でも「ヱビス」、「YEBIS」と書かれています。
「¥」マークの二本線の由来は?
「¥」マークの二本線の由来については、単に「Y」と区別するためという説と、外国通貨のマークをまねたという説があります。
アメリカのドル「$」は一本または二本の縦線ですが、イギリスのポンドの「£」は一本の横線、新しいところではヨーロッパのユーロの「€」も二本の横線が入っています。
ちなみに、アメリカのドルマークの「$」の由来も、アメリカ大陸を発見したスペインの頭文字「S」に、スペインの旗印にも描かれている「ヘラクレスの柱」を表す二本線を入れたという説や、「United States」の「U」と「S」を組み合わせたという説があり、はっきりしていません。