「願掛け」と「だるま」

何かしらの心配ごとや困りごとがあったとき、多くの日本人は神様や仏様にお願いをします。

この「願掛け」は古くからの日本の風習です。

様々な「願掛け」グッズがありますが、伝統的なものといえば「だるま」です。

両目がまだ入っていない「だるま」の写真画像

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「だるま」の目についての習わしは?

「だるま」は通常、両目が入っていない状態で売られていて、買ってから願いを込めて片目を入れ、願いが成就したらもう片方の目を描き入れるという習わしです。

これは「開眼(かいげん)」、すなわち「だるま」「魂を入れる」ことに由来します。

それが、「願掛け」と結びついたのには諸説があります。

「だるま」の生産で全国80%のシェアを持つ群馬県高崎市の「高崎だるま」によると、その昔、蚕が良い繭を作るようにと「だるま」左目(向かって右)にだけ目を入れて願をかけたのが、商人に広まっていったとする説があります。

また、江戸時代に天然痘が流行したときに、目のない「だるま」を用意して、お客の要望に応じて目を描き入れていたのが、「目なし」で売って、購入したお客が自分で目を描き入れるという習慣につながったとされています。

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「だるま」の目、右と左どちらから先に入れるのが正しいの?

それでは、「だるま」の右目と左目、どちらを先に入れるのが正しいのでしょうか?

じつは、明確なルールはないようです。

ただし、お寺と神社では違うようで、お寺では右目(向かって左)神社では左目(向かって右)を先に入れることが多いそうです。

「高崎だるま」では、左目(向かって右)から入れるのが正しいとしているため、他の生産地でも、高崎と同じところが多いようです。

「右に出るものはいない」という言葉があったり、「向かって右が上手」とされているからという説もあります。

このように決まりはないのですから、目を入れる順番を間違えたといって、願いが叶ったり叶わなかったりすることはありませんからご安心ください。

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