「ご苦労様」と「お疲れ様」
「ご苦労様」と「お疲れ様」は、ともに相手が疲れたと思われるシーンでねぎらいの気持ちを伝えるひと声なのですが、なんとも微妙で、それでいて厳然たる違いがあります。
「どっちでもいいのでは?」と考えてはいけません。
多分英語であれば同じ言葉になるであろうこの言葉のニュアンスの違いに、日本人は意外とこだわっているからなのです。
「ご苦労様」を使うべき場合とは?
まず「ご苦労様」ですが、これは苦労をかける立場の人から苦労をした人に対して言うのが一般的です。
つまり、上に立つ人間から下の立場の人間へのねぎらいの言葉なのです。
従って、社長が社員に「ご苦労様」というのは正しい使い方なのですが、社員が社長に「ご苦労様でした」というのは絶対に避けるべき使い方です。
そんなことをいったら「おまえ何様のつもりだ」と叱責されるのがオチです。
「お疲れ様」を使うべき場合とは?
その点「お疲れさま」は使い勝手のいいオールマイティな言葉です。
上司が部下に言うこともできますし、部下が上司にかけるねぎらいの言葉としても適しています。
立場が微妙で迷ったときにもとりあえず「お疲れさまでした」といっておけば間違いありません。
ただし、明らかに相手が大物で、もっと丁寧にいいたいときは「大変お疲れ様でございました」と前後を敬語で固め、尊敬の気持ちを込めるのがいいでしょう。
しかし、朝などまだ相手が疲れてはいなそうな場合に「お疲れ様」というのも変な感じがしますが、そこはそんなものだと思って使いましょう。