カレンダーについての素朴な疑問
カレンダーや手帳を見るにつけ、素朴な疑問が一つあります。
それは、「1週間のはじまりは果たして何曜日が正解なのか?」というものです。
というのも、カレンダーや手帳はものによって「日曜はじまり」と「月曜はじまり」の2種類に分かれます。
手帳はともかく、カレンダーは「日曜はじまり」が圧倒的です。
しかし、会社や学校は土日の休みが多いせいか、週末といえば「土日」を指すのが一般的です。
つまり、本来、日曜日は週のはじめではなく週の終わりではないのでしょうか?
カレンダーすなわち暦は宗教の影響を受けている?
しかし、カレンダーすなわち暦には宗教が大きくかかわってきます。
ユダヤ教では?
旧約聖書によれば、神は世界を6日間で創造し、7日目に休息をとったとあります。
その7日目は現在では土曜日にあたるため、旧約聖書を経典とするユダヤ教では、日曜日から金曜日が働く日で、土曜日が安息日すなわち休みの日となっています。
つまり、「日曜日は週のはじめ」ということになります。
キリスト教では?
キリスト教でも「週のはじまりは日曜日」とされています。
この日はキリストの復活を祝う日で、仕事を休んで祈りをささげるため、それが広まって「日曜日=休日」という習慣が増えたといわれています。
イスラム教では?
イスラム教では、金曜日が安息日なので、「週のはじまりは土曜日」ということになっています。
要するに、何曜日を週のはじまりにするかは宗教的な背景が強いのですが、日本においては世界の大多数を占める「日曜日はじまり」が一般的です。
手帳などに月曜日はじまりのものがあるのは、いうまでもなく土日が休みのビジネスマンの使い易さを考慮しただけです。
また、「土日=週末」の概念も、「平日働いて(学校に行って)、土日に休んで1週間が終わる」という社会全体の行動パターンが生み出したものです。
というわけで、世界的には「週は日曜日はじまり」が多数派を占めます。
ただし、宗教や地域によってはその限りではないというのが正しい理解なのです。