「学校英語」は役に立たないのか?

中学・高校で学んだ「学校英語」に批判的な意見が多くみられることから、「学校英語」は役に立たないのかと疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

私の経験では、会社に入ってから仕事に必要であった英語学習を進めるに当たって、「学校英語」は非常に役に立ちました。

もちろん、入社したばかりの頃は、「聴く」・「話す」はもちろんのこと、「読む」・「書く」も満足に出来ませんでした。

しかし、中学・高校で身に付けた英語の基礎知識(語彙、英文法、英文解釈、英作文等)、いわゆる「学校英語」を土台として、英語力を徐々に発展させて行くことが出来たからです。

もし、「学校英語」という土台なしでは立ち行かなかったと思います。

従い、「学校英語」は間違いなく役に立つといえます。

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しかし、注意すべきこと

しかし、ここで注意しておくべきことがあります。

多くの人が、「「学校英語」しか習わなかったから、「読み」・「書き」は出来るがしゃべれない。」とよくいいます。

しかし、「学校英語」での「読み」・「書き」の能力も極めて不十分といわざるを得ません。

なぜかといえば、仕事上要求される「読み」・「書き」能力とはレベルが違いすぎるからです。

「学校英語」における「読み」は、一つの文を辞書を引き引き時間をかけて日本語に訳す「英文解釈」です。

また、「書き」は、これまた辞書を引き引き時間をかけて英語に訳す「英作文」です。

これに対し、実務上要求される能力は、これらをはるかに超えたものです。

すなわち、

英文を「読む」能力としては、日本文を読むようなスピードで英文を読んで、即座に内容を理解できることが要求されます。

また、英文を「書く」能力も同様に、日本文を書くようなスピードで英文を書けることが要求されるからです。

従って、「学校英語」から真に実用性のある英語に発展させようと思えば、先ず「読み」・「書き」能力においても大幅に増強することが必要となります。

一方の「聞く」・「話す」能力については、「学校英語」ではほとんど身に付いていませんから、一からの出発で学習することになります。

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さらに注意すべきこと

この連載記事の「第4回 学習時間の具体的イメージ」でも紹介したように、

  • 日常生活に支障のない程度の英語力を習得するには、中学・高校での学習時間を除いて、あと2,000時間程度の学習が必要となります。
  • これは中学・高校時代の総学習時間の2倍に相当することになります。

この2,000時間の学習時間の具体的イメージについても、第4回の記事で、次のように紹介しています。

  • 仮に、1年間毎日2時間学習したとすると、年間の学習時間は 365日x2時間/日= 730時間。
  • 1日も休まず毎日2時間こつこつと学習しても、1年では1,000時間にも達しないわけです。
  • 2,000時間に達するには、このペースでも約3年かかることになります。

日常生活に支障のない程度で最低でもこの時間ですから、仕事上で支障のないレベルになるためには、当然ながらもっとたくさんの学習時間が必要となることはいうまでもありません。

世の中には、1週間、1ヶ月等短期間で英会話がマスターできるとか謳っている教材が、書店でもネットショップでもあふれています。

しかし、英語力はそんなに安易にマスターできるものではないことは、今一度十分に認識すべきだと思います。

そのように認識しなければ、一つの教材を買ってちょこっとやってみて、この教材は効果がないからと次の教材へ、ということを繰り返し、結局教材をあれこれと買って教材コレクターにはなったが、英語は上達しなかったと後悔することになりかねません。

教材費もバカになりませんし。

では、第5回はこの辺で。

次回をお楽しみにして頂ければ幸いです。

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「第6回 英語学習へのアプローチ法: 「1. 継続は力なり」」は、こちらから