「盛り塩」を見たことがありますか?
飲食店やブティックなどの店舗が成功する秘訣の一つに、「リピーター」の獲得があります。
「リピーター」とは、その店舗の商品や接客などのサービスを気に入って、繰り返し定期的に来店する客のことです。
「リピーター」が増えていくにつれ、店舗の売り上げも増加し、経営も安定してきます。
多くの経営者は、ポイントカードを発行したり、会員向けの特別サービスを実施したりと、いかにして「リピーター」を増やすかに知恵を絞っています。
その古典的な方法の一つともいえるのが、飲食店などに見られる「盛り塩」です。
「盛り塩」の由来、意味はなに?
店舗のの入り口に置いた小さな皿の上に、ピラミッドのように「塩」を盛り上げる習わしで、これは「お客を招く」という願いを込めて置かれるとされています。
どうして、この「盛り塩」がお客獲得のための古典的な手法なのでしょうか?
それは、3世紀から5世紀に栄えた中国の晋の時代の故事に由来します。
後宮にいる女性が、国王に自分のところを夜に訪ねてもらえるように自宅の前に「塩」の汁を撒いたといいます。
国王が乗る車を引いているのは牛で、牛は「塩」を舐める習性があるので、それを利用して国王を繰り返し自宅に呼び寄せ、寵愛を受けようとしたのです。
「盛り塩」の他の由来は?
ただし、この説は俗説で、もともとは、日本古来の神道で「塩」をお清めのため供える風習があったことに由来するという説もあります。
仏教でも、葬式の後に「塩」をまく風習があります。
相撲でも、取り組みの前に「塩」をまくのも同じ意味です。
これらが日常生活に入り込んで、今の「盛り塩」という風習につながったとともいわれています。
「塩」と「サラリー」の関係とは?
ちなみに、「塩」は「サラリー(月給)」の語源でもあります。
古代ローマ時代には兵士の給料として「塩」が使われていました。
「塩」は英語でいうとソルトですが、ラテン語ではサラリウムとなります。
それが、「月給」という意味の「サラリー」の語源とされています。