英語・英会話学習 遍歴 第4回 新入社員研修制度


入社時私が配属されたのは、海外向プラントの基本設計部門でした。

この部門は、海外向プラントの基本計画立案から入札を経て、契約までの基本設計を担当する部署です。

契約後の詳細設計からプラント建設、そして竣工までは工場が担当するシステムです。

あとになって思ったのですが、私が所属したこの部門で行う基本設計内容がそのまま契約内容となるので、肉体的にも精神的にもかなりシビアな部署でした。

また、入社したばかりの頃は、単に人並みに仕事をしていれば毎年昇給・昇格していくものと思っていましたが、会社に慣れるに従いこれが間違いだと思い知りました。

その第一関門が「新入社員研修制度」でした。

この「新入社員研修制度」について、英語との関わりもありますので、ここで触れておきましょう。

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「新入社員研修制度」

私が入った会社では、新入社員は正社員資格を有するものの研修員と呼ばれ、いわば半人前の扱いでした。

新入社員研修期間は一応2年間です。

この期間が終了すると、はれて通常の正社員(ヒラ社員)となります。

1年目の「新入社員研修」

1年目は通常の日常の仕事以外に、「翻訳論文」を書くことが義務付けられていました。

「翻訳論文」というのは、欧米の最先端技術に関する英語論文を数点完訳し、論文に仕立てるものです。

もちろん新入社員の配属先によってテーマを選ぶことになりますが、新入社員のほとんどは技術系でしたので、技術系のテーマがほとんどでした。

研修員1年目の終わりに、その内容を10分程度で説明できる程度にまとめ、会社幹部の前で発表・質疑応答することになっていました。

発表の後審査がなされ、合格するとやっと2年目の研修員となり、給料も若干上がります。

合格しないと、翌年一からやり直しとなり、給料も扱いも据え置きになります。

これが研修員1年目の終わりにおける、ある意味での昇格試験でした。

論文の締切日前の数ヶ月間は、毎日のように深夜まで会社に残り、休日も会社に出て、翻訳、論文まとめに取り組みました。

また、論文発表の前の数日は、発表のリハーサルの連続で、ほとんど徹夜の状態でした。

英文論文を数点訳すのにそんなに時間がかかるのかと思われる方もいらっしゃると思いますが、日中は通常の仕事があるので、翻訳に時間が割けるのは、自分の自由時間、すなわち夜と休日しかなかったのが一因です。

しかも、その頃には少しは仕事の役に立つようになったようで、連日残業、たまには休日出勤が続いていました。

また、まだ技術的な内容に疎いので、一つのことに引っかかるとその内容について日本語の技術書に当たり直さなければならなかったこと、英語の技術用語に慣れていなかったこと、そして基本的な英語力の未熟さが原因としてあげられると思います。

幸いなことに、私も含めほとんどの研修員は合格しましたが、中には不合格の人もいました。

次は2年目の新入社員研修です。

2年目の新入社員研修

2年目の研修員には、また「研修員論文」と呼ばれる論文が課されます。

今度は、1年目の翻訳論文で訳し理解した最先端技術内容を現状のプラントに応用した概念設計という概略試設計を行い、論文に纏めるというものです。

2年目の終わりには、前年と同様に会社幹部の前で発表し、合格すればやっと研修員という呼称がはずされ、給料もそれなりに上がります。

合格できなければ翌年またやり直しとなり、当然ながら給料も上がりません。

これが研修員としての最終昇格試験です。

これに合格して、やっと通常の正社員(ヒラ社員)となれるわけです。

「新入社員研修」に対する評価

非常に大変だった思い出しかない「新入社員研修」ですが、今から思えば、この研修員制度は人材の早期育成のために、非常に効果的だと思います。

新入社員の時から世界の最先端技術を学ばせ、それを通常の業務に応用させるとともに、会社幹部の前で発表させることにより、いわゆるプレゼンテーションのやり方を学ばせ、度胸をつけさせるという、極めて理にかなったものと思います。

もっとも、研修員本人にとっては非常な負担ですが。

現在もこの研修員制度は継続しており、世間では軟弱だといわれている現在の新入社員も、私の時代と同様になんとかこなしています。

また、研修員一人一人には指導員と呼ばれる入社5~10年程度の先輩が付けられます。

この指導員は、日常の業務の指導をするとともに、論文の指導も行います。

またある程度私的な相談にも乗ります。

私も指導員を二度やりましたが、自分の日常の業務をやりながら研修員の通常業務の指導をすることは当然ながら、論文の指導もやらなければならず、研修員よりもむしろ大変だった思い出があります。

研修員の「翻訳論文」、「研修員論文」の合否も、指導力という意味で、指導員自身の昇格査定につながっていたようです。

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もう一つの新入社員昇格基準

「新入社員研修」は、先に述べた1年目の「翻訳論文」と2年目の「研修員論文」から成りますが、実はもう一つの新入社員昇格基準がありました。

それは、私の時代には「英検2級」合格でした。

2年目の「研修員論文」発表終了時までに「英検2級」に合格していないと、いくら「研修員論文」発表に合格しても、昇格できませんでした。

私は大丈夫でしたが、これがために昇格できなかった新入社員が数名いました。

私も学生時代には、英語の資格なるものは「英検2級」も含め一切取得していませんでした。

しかし、たまたま海外向けプラント部門に配属されたため、まだ暇だった入社してまもなくの頃に、英語の勉強の手始めとして「英検2級」を取得していたので助かりました。

この昇格基準も、現在では「TOEIC ○○○点以上」と姿を変えてはいますが、今も継続されています。

では、第4回目はこの辺で。

次回をお楽しみにして頂ければ幸いです。


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