「尊敬語」ってなに?
相手のすることや持ち物、ある状態などに対して尊敬の意を表すのが「尊敬語」です。
でも言葉の頭に「お」をつけるだけで「尊敬語」になるわけではありません。
「動詞」の「尊敬語」の例は?
たとえば「食べる」は、つい「お食べになる」といってしまいがちですが、正しくは「召し上がる」なのです。
「言う」も同じように「言われる」ではなく「おっしゃる」であり、「見る」は「ご覧になる」、「来る」は「いらっしゃる」とするのが正しい「尊敬語」なのです。
もちろん、「お」+「~になる」で「尊敬語」となる動詞も多いです。
「お話になる」、「お聞きになる」、「お思いになる」などです。
「名詞」の「尊敬語」の例は?
「名詞」も「お」をつけていい場合とつけるべきではない場合があります。
「お手紙」、「お電話」、「お元気」などは正しいのですが、「おコーヒー」、「お電車」などとは、たとえそれが相手のものであってもけっしてそのようには言わないものです。
「お」をつけるべきではない名詞のルールには4つあります。
「外来語」
まずは「外来語」です。
「おビール」や「おトイレ」は接客業などでは一般的ですが、本来は正しくないのです。
これらも普通の会話で結構使っている気がします。
「公共物」
次に「公共物」ですが、「お役所」、「お教室」などはかえって嫌味な表現になりかねません。
「お役所仕事だからねぇ」なんて言う表現がこれに当たります。
「動植物」
「動植物」に対しても同じで、「お犬」、「お猫」、「お草」とは言いません。
「お犬様」と呼ばなければならなかったのは、江戸時代の「生類憐みの令」がしかれたときぐらいでしょう。
でも、「お花」などは普通の会話で結構使っている気がします。「お花畑」とか。
「自然現象」
「自然現象」である「雨」、「台風」、「地震」にも「お」は不要です。
「お台風の中、ありがとうございます」では、「台風」に敬意を表しているようなものです。
ちなみに、子供に対して「お洋服」とか「お山」ということがあっても、大人同士の会話とで使えばどこかおかしな印象を与えてしまいます。
でも、「お洋服」などはついつい使ってしまいがちですね。
以上のように、「外来語」、「公共物」、「動植物」、「自然」には「お」をつけません。
これらだけでも覚えておくと妙な「尊敬語」にならずに済むはずです。
でも、「日本語」って難しいですね。