「敬称」はじつに厄介

「敬称」とはじつに厄介なものです。

「敬称」をつけないのは論外ですし、かといって間違えば相手に大変失礼になり、その後の関係にひびが入ってしまうことのあります。

しかし、「敬称」といっても、「先生」、「様」、「社長」、「部長」、「課長」、「係長」、「御中」、「さん」、「君」など数え上げたら枚挙にいとまがありません。

その中でも「殿」の使い方を勘違いしている人が意外と多いようです。

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「殿」はどんな時に使えばいいの?

「殿」はどんな時に使えばいいの?という画像

じつは、「殿」は目上の人が目下の人に使う「敬称」で、目上の人に使うのは失礼にあたるのです。

「お殿様」の「殿」だから一番偉い人に使うのだろうと考えても無理はありませんが、実際はまったく違うのです。

そもそも現代では「殿」を使う機会は減少しており、見ることも聞くこともあまりありません。

今では圧倒的に「様」が使われることのほうが多くなっています。

「様」はすべての人への「敬称」であり、目上や目下、男女など親しい度合に関わらずに使える万能選手だからなのです。

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主な「敬称」の使い方は?

主な「敬称」の使い方は次のようにまとめられます。

  • 会社や部署に対しては「御中」
  • 役職名には「殿」、ただし目上の人には「様」
  • 個人には「様」
  • 対象が大勢の場合には「各位」

ここで、役職名には「殿」とありますが、あくまでも社内的な文書のみで使われることが多いです。

しかも「殿」は見下した印象があるため、この場合でも「様」を使うケースが増えています。

それでもあえて「殿」を使う場合は、「○○部長殿」だと「部長」という敬称「殿」という敬称を重ねた二重敬語になりますので避けるべきです。

したがって「人事部長○○殿」というように、「役職名」+「名前」の後に「殿」を書くのが正解です。

ただし、目上の役職者には「人事部長○○様」のように、最後は「様」にすることを忘れずにしておきたいものです。

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