「メロン」の由来は?
最近の研究で「メロン」の原産地は「インド」とされ、そこから北アフリカや中近東に、さらにはヨーロッパに伝わったとされています。
紀元前20世紀頃に栽培が始まったようですが、「インド」から西方に伝わったものが「メロン」となり、東方に伝わったものが「瓜(ウリ)」となっています。
「メロン」と「瓜」はやはり祖先が同じなのですね。
もともとの「メロン」は「キュウリ」よりは甘い程度のものでしたが、長年品種改良の努力が続けられ、15世紀頃には現在のような甘い品種が作られるようになりました。
「メロン」といえば非常に値段が高いという印象が強いですが、高価なのは「マスクメロン」という高級メロンです。
「マスクメロン」とは?
「マスクメロン」は、「じゃこう(麝香)」のような強い芳香を持つ「メロン」の総称で、品種としての名称ではありません。
表面に網目模様のあるもので、「メロン」といえばこの「マスクメロン」を思い出される方も多いでしょう。
ちなみに、その名前にある「マスク」は「じゃこう」を意味する「musk」で、「仮面」などを指す「マスク(mask)」ではありません。
「マスクメロン」の栽培は、温度・湿度を管理した温室内で行わなければならず、まめに手を加えなければ良質なものはできません。
また1本のつるからは1個だけしか作りません。
このため価格も高く、高級品では1個3万円を超えるものもあり、主に贈答用として用いられています。
「マスクメロン」は高価であり、とても庶民の口に届くものではありませんが、庶民でも味わえる「メロン」といえば、これから述べる「アンデスメロン」や「プリンスメロン」でしょう。
「アンデスメロン」の「アンデス」の由来は?
「アンデスメロン」は、その名からして、南アメリカの「アンデス」地方原産と思っている人も多いでしょう。
ところが、南米の「アンデス」地方とはまったく無縁の「メロン」なのです。
正真正銘、1977年に日本の種苗会社によって開発された「純国産メロン」です。
それが「アンデス」と名付けられたのは、なんと日本語の「安心です」の略なのです。
「メロン」は虫がつきやすく、病気にかかりやすいものです。
そこで、品種改良をして様々な欠点を克服したのが「アンデスメロン」なのです。
簡単に栽培でき、誰でも「安心」して作れ、消費者も「マスクメロン」よりも格安で「安心」して買えるところから、「安心ですメロン」、略して「アンデスメロン」とネーミングされたというわけです。
一方、「プリンスメロン」の「プリンス」の由来は?
やはり値段が安くて「安心」な「プリンスメロン」の名は、現天皇陛下が皇太子(=プリンス)時代のご成婚の年1959年(昭和34年)に登場したため、「プリンス」と名づけられたものです。
「アンデスメロン」と「プリンスメロン」、意外なネーミング由来でしたね。