有益な「外来種」

今の日本には、本来日本には生息していなかった動物が飼育されたり養殖されたりしている例は多いです。

例えば、食肉用の「牛」もそうです。

「和牛」とは?

もともと、日本に生息していた「牛」を品種改良で食肉用としたのが「和牛」です。

「和牛=高級品」のイメージがありますが、商品名ではなく品種名で、「黒毛和種」、「褐色和種」、「日本短角種」、「無角和種」が「和牛」と呼ばれています。

三重県の「松坂牛」、兵庫県の「神戸牛」、山形県の「米沢牛」、宮崎県の「宮崎牛」、鹿児島県の「鹿児島黒牛」などは「黒毛和種」の「和牛」、いわゆる「黒毛和牛」です。

品種名なので、産地に関係なく、オーストラリアで飼育された「黒毛和牛」「和牛」なのです。

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「国産牛」とは?

一方、スーパーなどで買い物をしていると、「和牛」ではなく「国産牛」という表示もよく見かけます。

この「国産牛」は、日本で飼育された「牛」という意味です。

つまり、日本で飼育され食肉用に加工された「牛肉」なのです。

本来は日本には生息していなかった「ホルスタイン」などの外来種、オーストラリアやアメリカで生まれて日本に輸入され、飼育された「牛」も「国産牛」です。

以前は、3か月以上日本で飼育された「牛」でないと「国産牛」と表示できませんでしたが、現在では、3か月以内であっても飼育された期間が最も長い場所が日本国内であれば、「国産牛」と表示できます。

「黒毛牛」とは?

また、「黒毛牛」と表示されている「牛肉」を見たことがあるかもしれませんが、これは「黒毛和牛」とは別物です。

身体のどこか一部分に黒い毛がある「牛」を「黒毛牛」と表示しているのです。

つまり、「和牛」とは限りません。

実際、「黒毛牛」には「ホルスタイン」が多いといいます。


こうして見てくると、「和牛」「国産牛」「黒毛牛」の意味合いが、通常のイメージと違います。

「すきやき」を食べるなら、やはり「国産」「黒毛和牛」というところでしょうか?

「松坂牛」、「神戸牛」、「米沢牛」、「宮崎牛」、「鹿児島黒牛」などのブランド牛が、一番美味しいのでしょうが、あとはお財布との相談ですね。

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