「騒音」の害とは?
「騒音」というのは、じつは人間の寿命に大きく影響するようです。
世界保健機関(WHO)の調査によると、ヨーロッパ各国では「騒音」によって、本来なら健康に生き生き暮らせるはずの「健康生存率」が短くなっているそうです。
各人で失われた時間を合計していくと、年間「100万年」もの時間が失われたことになるといいます。
ヨーロッパの国々は、「そんなにも「騒音」がひどいのか」と思ってしまいますが、じつはそうでもないらしいです。
要するに、普通に生活している分には気にならないような音でも、人の健康には微妙に影響することがあるということです。
日本は「騒音」が少ない?
さて、日本は世界の国々に比べると静かな国とされています。
電車の中やレストランなどでは、他人の迷惑にならないように配慮し、大声を出さないように会話します。
笑い声も控えめです。
なによりも道路を走る車の「クラクション」があまり聞こえません。
あまり「クラクション」を鳴らさないのはなぜ?
日本を訪れた外国人の多くは不思議に感じるといいます。
なぜ、日本人は「クラクション」をほとんど鳴らさないのかと。
しかも、信号が赤から青に変わったのに気づかずに止まったままの車があっても、鳴らす「クラクション」は、「ブッ」とごく軽いものです。
「青ですよ」と注意を促す程度です。
これが外国では違います。
「ブッ、ブッー」と2台も3台も後ろの車からも鳴らされるというのです。
なぜでしょうか?
理由はじつに簡単です。
道路交通法でむやみに「クラクション」を鳴らすことが禁じられているからです。
違反すると「警音器使用制限違反」で2万円以下の罰金となることもあります。
これは、自動車教習所でも習います。
とはいえ、法律を守って「クラクション」を鳴らさないという人ばかりでもないでしょう。
最近では「「クラクション」を鳴らして、相手とトラブルになったらイヤ」という声も聞きます。
そう、日本人は、電車に乗るときには整列乗車だし、横断信号を渡るときには車が走っていなくても青信号になるまで待ちます。
ルールを乱して、無用な争いが起きるのを嫌う国民性であるといえるのです。
日本では以前から「クラクション」騒音は少なかったの?
とはいえ、終戦後まもなくは道路で「クラクション」を鳴らすのは当たり前で、街中が「クラクション」でうるさかったといいます。
その後経済が成長し、国民全体が豊かになるとともに、このような「クラクション」騒音は少なくなったようです。
もちろん、法律の規制も有効であったと思われますが、結局「騒音」は国民の豊かさと民度の高さに比例するともいえるのではないでしょうか?
現に、発展途上国に行くと、「クラクション」をはじめとする「騒音」にはすさまじいものがあります。