「宇宙」は、はるか彼方に思えるが案外近い?

「宇宙」というととてつもなく遠い世界に思えますね。

では、具体的にどこからが「宇宙」かというと、国際航空連盟では「地表から100km以上の場所」と定義しています。

その高さでは、空気抵抗をほぼ無視できる真空状態になるからです。

はるか彼方に思える「宇宙」ですが、「100km先」と考えると、案外近いことがわかります。

たとえば、水平距離で考えると、東京駅を起点とした場合100km先は静岡県熱海市となります。

新幹線ならば、こだまで50分足らずの距離です。

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地表から「宇宙」までの構成

地表から「宇宙」の始まりである100kmまではどのようになっているのでしょうか?

まず、地表から10kmほどのところには「成層圏」があります。

「成層圏」は、私たちのいる「対流圏」の上部から、「熱圏」の下にある「中間層」までの「大気圏」で、旅客機が飛ぶのもそのあたりです。

水平距離で考えると、東京駅を起点とした場合10km先は品川(6~8km)を越えた大井町あたりになります。

さらに、地表から50kmまで上がると「中間層」80kmまで上がると「熱圏」となります。

水平距離で考えると、東京駅を起点とした場合50km先は神奈川県藤沢市、80km先は神奈川県小田原市あたりになります。

そこから温度が急激に上昇し、大気中の窒素や酸素などは太陽からの紫外線によって乖離し、原子状になります。

もちろん、生物は存在しない世界です。

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以上を整理すると、

「宇宙」 ・・・・ 地上100km (水平距離で東京駅から熱海市)から
 ↑
「熱圏」 ・・・・ 地上80km (水平距離で東京駅から小田原市)から
 ↑
「中間層」・・・・ 地上50km (水平距離で東京駅から藤沢市)から
 ↑
「成層圏」・・・・ 地上10km (水平距離で東京駅から大井町)から
 ↑
「対流圏」・・・・ 地表から

これらの距離を水平距離に置き換えて、東京駅を起点として地図上に示すと次のようになります。

地表から宇宙までの距離を水平距離として地図上に示した図

また、地表から「宇宙」までの構成図を次に示します。

地表から宇宙までの構成図

ここで、カーマン・ライン(英語: Kármán line)とは、高度100 kmに引かれた仮想のラインです。

先に述べたように国際航空連盟によって定められ、このラインを超えた先が「宇宙空間」、この高度以下は地球の「大気圏」と定義されています。

従って、この高度に達した人工物および人間が宇宙飛行を行ったと認定されます。

ちなみに、国際宇宙ステーションは地表から400kmの低軌道上にあります。


このように単純に距離的に見ると、「宇宙」は遠いようで近いのです。

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